自助グループへのお問い合わせをいただいていますが、初めての場に直接足を運んで参加するのは、不安に思われるかもしれません。
今日は、私が初めて自助グループに参加した時のことを書こうと思います。参加を迷っておられる方の、少しでもご参考になれば幸いです。
私は摂食障害や自傷行為に翻弄されていた20代半ばに、自助グループと出会いました。当時は自分が抱えている息苦しさや生きづらさの正体が分からなくて、摂食障害だという自覚もぼんやりとしかなかったと思います。何かないかとインターネットで探しまくっていました。
そこで、一つの自助グループを見つけました。アダルトチルドレンや摂食障害に悩む女性が参加する場所と書いてあり、私は「こんな風におかしいのは自分だけだと思っていたけど、他にもそういう人がいるんだ…」とぼんやり思いました。そして勇気を出してメールで問い合わせ、初めて参加してみました。
グループでは車座になって座り、自分がその場で呼ばれたい名前を伝えました。その場で話したいテーマを出し合い、一人ずつ順番に話します(テーマに沿っていなくてもいいし、話したくなければパスでも大丈夫です)。
他の方の話を聞いて、私は本当にびっくりしました。同じように摂食障害や、パートナーからの暴力や、親との関係性に苦しんでいる方々・・・色々な方がおられました。話を聞いていると、この方はよくぞここまで生き延びてこられたなあと、感嘆するような思いになったものです。
環境や背景は違うけど、参加者の皆さんが抱えておられる苦しみは、共通するものがあるように感じました。
私はそこで、初めて自分の体験を語りました。当時の私は、自分の体験を語るなんてとんでもない、恥ずかしいし、情けないし、こんなこと話したら絶対に嫌われると思っていました(その思いが私の孤独と孤立を深めていました)。
でも、参加者の皆さんが真摯に語る姿を見ていると、自然と話すことができました。親との関係の苦しさ、ふだん感じる男尊女卑、パートナーから受ける暴力、食べ吐きしてしまったこと・・恥ずかしい気持ちも忘れて赤裸々に語りました。その話を皆さんは真剣に耳を傾けて聞いてくださいました。
自助グループは個人の発言に対してコメントしたり意見したりはせず、「言いっぱなし、聞きっぱなし」がルールです。だから誰も何も言いませんが、暖かく聞いてくださっていることが伝わってきました。
「自分の話を聞いてもらえる」という体験は、天地がひっくり返るようなものでした。「本当のことを話したら嫌われる」と思っていたのに、否定されることなく聞いてもらえる体験は、自分の常識を覆すものでした。
私は自分を否定し続けていたので、「こんな私でもいいんだ」と思える最初の一歩となりました。
また、自助グループの参加者は「支援者」ではなく、一般の方です。一般の方に聞いてもらえるという体験に、大きな意味がありました。
似た苦しみを抱えながら生きている方々に会えて、「私だけじゃない、私は一人じゃない」と感じることができました。
たまに、摂食障害の「あるある」で笑うこともありました。「外のトイレで音を出さないで吐く方法」「どこまで吐いたか分かる方法」「吐いてボロボロになった爪のケア」とかを「だよね~(笑)」と軽口を言いながら笑って話したりしました。これは本当に驚きでした。
私にとって食べ吐きは深刻で一人で悩むもので、笑って話せるようなものではありませんでした。しかし、自助グループでは同じように苦しんでいるからこそ、笑い合うことができました(もちろん、個人の状況を嘲笑するわけではありません)。
この笑いは孤立を軽減する非常に強力なパワーを持っています。対等な立場であるからこそ生まれる笑いです。笑えるのは、その苦しみから一定の距離を置けているからこそできることです。深刻に悩んでいると、とても笑うことなどできません。
本当の本音で話すことができたり、聞いてもらう体験ができたり、自分の状況を一歩引いて見ることができたり、回復している人の話を目の前で聞けたり・・・。自助グループでは、普段属している地域や社会生活上のコミュニティでは体験できないことを体験できました。
自助グループに参加した日は、少しだけ食べ吐きがマシになったことを覚えています。「どうせなら体にいいものを食べて吐こう」と思ってナチュラルローソンに入ったことも覚えています。「自分を痛めつけたいから、食べ吐きするのもジャンクがいい」と考えていた私が、「少しでも体にいいものを」と思ったのは大きな進歩でした。
自助グループに通い始めてから、私は確実に回復が早まったと感じています。
自助グループの雰囲気やプログラム内容はそれぞれ異なりますが、自分に合ったところが見つかれば良いと思います。地域にいろんな自助グループが増えるといいなと願っています。
そんな思いで、ACOA大阪を立ち上げました。ACOAは私が通っていた自助グループからその名前をお借りしています。
よかったら、ぜひ一度お越しくださいね😊🍀
安心できる居場所を、一緒に見つけていきましょう。
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