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執筆者の写真kumada rie

介護相談、始めています

ここ数年、知人友人から介護に関する相談が急激に増えました。数えてみたら述べ件数200件を超えており、当法人の事業として介護相談を始めることにしました。 ケアマネジャーや地域包括支援センターよりもっともっと、だいぶ手前にいて、介護について漠然と考え始めた人たち向けです。


これまでに相談してくださっている方の層は40~60代、中流層以上、仕事で結構なポジションにある人(とその配偶者)が多いです。そして情報強者側だなと感じます。話していても頭の回転が速く、行動力や決断力もあって「仕事できるんだろうな」と思わせられる人が多いです。


そんな人たちがなぜ私に相談するんだろうと思ってましたが、分かってきたのは、このような人たちは、自分の知らない業界に対する警戒心、猜疑心が強いということ。特に医療介護業界は、最近の滝山病院のように、ニュースで虐待や窃盗など犯罪の話が出たりするので、「知らないでいると一方的にやられてしまう」というような不信の目で見られているところがあるようです。


相談者の方々は、「そういうところをどうやって見抜けばいいか、自分がそうならないためには」を、既に徹底的に調べておられます。そして民間の施設紹介業者のことを「どうせ広告料を払っている大手を紹介してくるだけ」とほぼ信じておられないです。そういう考え方なので、信じられると思う情報を得るための労力とコストを惜しまず、流れ流れて私のところにまで来ておられるのだと思います。


医療介護についての一般的な話、施設の選び方などは既にネットや書籍に溢れ、一時に比べて質の良い情報が増えています。一方で、「自分の家族に合う介護はどういう形なのか」「この地域で、親に合う施設はどれか」という個人にカスタマイズされた情報はどこにもないです。介護事業者や施設はホームページがないところもあるし、働いている人によって雰囲気は変わるので、ネットで調べるにも限界があります。相談者たちは、「自分たちの場合はどうなのか」を求めていて、またそれが自分たちに合うのだという確信を持ちたくて、相談に来られているのだと思います。安心と納得がほしいのだと、感じています。


私がやっているのは、相手の情報と状況の交通整理をして、様々な選択肢の中から今後の進み方を一緒に考える、という感じです。内容も在宅、施設、遠隔、仕事との両立など色々です。


私の場合は、長年、医療介護業界を取材していて、霞が関から地方行政も見てきました。有料老人ホームや病院で働いた経験もあるので、現場の具体的な話や介護行政の方向性などをまとめて話せるので、そういうところに好評を頂いている気がします。


相談者の方々は、医療介護業界の考え方を理解し、「自分たちはこの方針でいく」と決めたら早いです。自力で調べ、動かれます。「どんなふうに話せば、医療介護スタッフとスムーズに話し合いができるのか」「クレーマーと思われずに要望を伝えるには」という意思疎通に関するアドバイスを求めてくることも多く、納得したら医療機関や介護事業者との話し合いも自力でどんどん行っておられます。


非常にニッチな相談活動だと思ってましたが、団塊の世代が後期高齢者に入る時期だからか、急に増えてきました。高齢者の見守りや後見等の支援活動を幅広く行っている大阪府池田市内のNPO法人、こもれび相談室様とも連携させて頂き、窓口での対面相談も行うようになりました。


医療介護は、そこに行き着く手前にすごく色々なことがあるはずです。家族や親戚の人間関係、お金、相続問題、住まい、仕事。そういった生活全体のことを話しながら、介護のことも考えていけるお手伝いをしたいと思っています。このため、相談活動は専門家と連携しています。これまでにも色々おつなぎしながらやってきました。介護は、多分その人が生きているうえで抱えている問題の氷山の一角だと感じているので、そこをほぐすお手伝いができたらと思っています。


相談活動の幅が広がる中、色々な社会課題を感じているので、そこについてもまた投稿していきます。

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